まどか『魔女が絶望を振り撒かない世界にする!それが私の願い!』

QB『やれやれ…世界を改変させるほどの願いだね。いいだろう、君の願いは―――

ほむら『駄目えええええっ!』

     カチッ   ギュンッ

          ◆

ほむら「また、まどかを魔法少女にしてしまった」

ほむら「でも…あの願いは…?」

ほむら「…今は考えても無駄ね。いつも通りにまどかを契約させないようにしないと」

 

QB「助けてっ…」

まどか「誰、誰なの?」

さやか「あ、ちょっとまどかどこ行くのっ!?」

     タッタッタッ

まどか「ほむらちゃん!?」

QB「暁美ほむら、君は一体…」ゼーハー

ほむら「…くっ、そいつから離れて、まどか!」

さやか「に、逃げるよまどかっ!」 シュー

まどか「え、う、うんっ」

       タッタッタッ

ほむら「…また、いつも通りだわ…ッ」ギリッ

 

魔女の結界内―――

さやか「何、これ…」

まどか「怖いよ、さやかちゃん…」

???「どなたかしら、私の結界に入り込んできた人間さんは」

まどか「えっ…?」

さやか「な、なにっ!?」

ゲルトルート「あら、可愛らしい女の子がお二人も♪」 ゾワゾワ

まどか「」

さやか「」

     シュタッ

マミ「ゲルトさん、お待たせしちゃったかしら」

ゲルトルート「大丈夫よ巴さん。そうだわ、あなた達もお茶しません?」

まどか「え、えっと…」ガクガク

さやか「聞きたいんだけど…あんた達は一体?」

ゲルトルート「私の名前はゲルトルート、ここに住む薔薇園の魔女ですわよ」

マミ「私は巴マミ、あなた達と同じ見滝原中学校の3年生よ♪」

まどか「あ、私、鹿目まどかです!」

さやか「美樹さやか…です」

ほむら(これはっ!?一体何がどうなっているの…!?)


QB「マミ…とりあえず回復を…」

マミ「あら、ごめんねQB」 ホワー

マミ「ちょっと説明させてもらうわね」

まどか「?」

マミ「私は魔法少女、そして彼女は魔女。魔女はこうしてひっそりと『結界』という空間の中で生活している」

マミ「魔法少女は、人々の絶望から生まれる『魔獣』というのと戦っているの」

マミ「そして魔女は、この魔力の源、『ソウルジェム』が濁ったら生まれる。魔法少女としての力は失うわ」

マミ「普通の生活が出来なくなっちゃうから、魔法少女として魔獣を狩り続けて人を助けるのよ」

まどか「魔法、少女」

さやか「と、魔女ねえ…信じられない話だけど、実際ここに居るワケだし」

QB「僕と契約したら、願いをなんでも1つ叶える代わりに魔法少女として魔獣と戦う使命を背負うんだ」

さやか「願いをなんでも?」

QB「そうさ。だから、僕と契約して魔法少女になってよ!」

ほむら「その必要はないわ」 スタッ

まどか「ほむらちゃん!」

ゲルトルート(あ、綺麗な黒髪美女)

マミ「…あなた、魔法少女ね」

ほむら「巴マミ、彼女達を魔法少女にしようとしないで」

マミ「どうしてそんな事を…グリーフシードの取り分が減るから?」

ほむら「そんな理由じゃない。とにかく彼女達には近づかないで」 スッ

さやか「居なくなった…何なの?あの転校生は」

まどか「ほむらちゃん…」

マミ「…そうね、魔法少女の事を色々話したいし、私の家に行きましょう」

ゲルトルート「あら、もう行ってしまうの?」シュン

マミ「ええ、また来るわ」

QB(さっきので魔法少女の事について大方説明したじゃないか…)

マミの家―――

マミ「―――それで、魔女がまったく無害になったのはつい数日前の事なの。魔獣が現れるようになったのはそれからよ」

マミ「そしてもう1つ、ついこの前まで魔女が作り出していた『使い魔』というモノもあるわ」

まどか「…自分の町でこれまで起こっていたとは思えない話だね」

さやか「マミさんはそういうのと1人で戦っているんですか?」

マミ「そうね…魔法少女は基本的に1つの町に1人いるの」

QB「暁美ほむらという少女も同じ魔法少女みたいだけど…僕は彼女と契約した記憶はないんだ」

マミ「うーん…彼女、一体何が目的なのかしら…」

さやか「マミさん、その…明日、魔獣退治一緒に行ってもいいですか?」

マミ「…けっこう危険よ、それでもいいのなら」

さやか「はい!それでも行きます!」

まどか「じゃあ…私も一緒に」

マミ「決まりね」ニコッ

ほむら(一体どういう事?…でも、前回のまどかの願いの影響としか考えられないわね)

ほむら(となると…ワルプルギスの夜と戦う必要が無くなるってこと…?)

ほむら(もしかしたら、この世界で全てを終わらせられるかもしれない)

ほむら(だけど魔獣というのが気になるわ。それに使い魔まではまどかの願いの対象にはなっていなかった)

ほむら(この世界でもやる事は同じようね…早速ソウルジェムが反応しているわ)

          ◆

ほむら(あれが魔獣…さっさと片付けましょう)

     ドッ!

ほむら(ッ…直線的なレーザー攻撃、だけど距離をとっていれば避けることは容易い)

     カチッ   ヒュン  ヒュン

ほむら(時を止めて、一気に爆破しましょう)

     カチッ   ドゴォン!

ほむら(ちゃんとグリーフシードは出すのね。形がちょっと違うけれど)

さやか「ねぇまどか、魔法少女になりたいと思う?」

まどか「うーん…私はちょっと怖いかなー」

さやか「今日会ったゲルトルートさんって人(?)と一緒に紅茶飲んだりするのはちょっとなー」

まどか「そんな事言ったらゲルトルートさん可哀想だよ…元々人間だったんだよ?」

   「あなたは優しいのね…鹿目さん」ゾワゾワ

さやか「うわっびっくりしたあ!」

まどか「あ、ゲルトルートさん…(あれ…?さっき会った時より縮んでる…)」

ゲルトルート「結界から出たら人並みに縮んじゃうのよ。まあ魔女にもよるけれど…」

まどか「そうなんですか…」

さやか(緑のウネウネした頭とか、背中の蝶の羽とか色々すごい事に…)

ゲルトルート「ちなみに、私は普通の人間には見えないわ。簡単に言えばQBの事が見える人間なら見えるの」

ゲルトルート「あと、結界に入れば誰でも私の事が見えますのよ」

まどか「うーん…覚える事がいっぱいだよ…」

さやか「頭の整理が付かないよホント…」

次の日―――

さやか「おはよー仁美!」

まどか「仁美ちゃん、おはよう」

仁美「おはようございます。さやかさん、まどかさん、それと…暁美ほむらさん?」

ほむら「ほむらでいいわ」ファサッ

まどか「あっ、ほむらちゃん」

さやか「ちょっ、どっから出てきたのよ転校生!」

ほむら「だからほむらでいいわ。それと私はいつでもまどかの傍にいるから」ファサッ

まどか「ほ、ほむらちゃん///」

仁美「まあ…もう仲良くなっていますの?もしかして禁断の恋では…」

まどか「そ、そんなんじゃないよぉー…」

さやか「でも、ほむらはまどか一筋って感じだよねー…前世からの繋がりとかなんじゃない?」

ほむら(…ッ)ピクッ

まどか「もうっ さやかちゃんったら!///」

仁美「そうだとしたらとても素敵ですわー♪」ウフフ

昼休み―――

さやか「まどかー!屋上で一緒に昼ご飯食べよー!」

まどか「うんっ ほむらちゃんと仁美ちゃんも一緒にどう?」

ほむら「私は構わないわ」

仁美「ごめんなさい、私は委員会がありますの…」

さやか「そっかー仕方ないね…じゃあ行こう、ほむら」

ほむら「…ええ」

          ◆

さやか「ほほう…やっぱりまどかのお弁当は豪華ですなー♪」

まどか「そ、そうかな… あれ、ほむらちゃん?」

ほむら「…ちょっと用事を思い出したわ」

まどか「えっ、どこ行くのっ?って居ない…」

さやか「アイツ、ほんと急に居なくなるよね、何考えてんだか」

屋上の入り口あたり―――

     カチッ スタスタ カチッ

???「ひゃぁ…っ!?」

ほむら「あなた、さっきからどうして私たちを見ているの?」 ギュ

???「えっ、あの…そのー…」

ほむら「あなたは確か、ハコの魔女、だったかしら」

エリー「!どうしてアタシの事を…?」

ほむら「さあ、何ででしょうね」

エリー「…」ガクガク

まどか「―――あれ、ほむらちゃん?何してるの?」

ほむら「あっ…」

さやか「あれ、魔女…とパソコン? とにかく、その手離してあげなよ。嫌がってるっぽいから」

ほむら「…」パッ

エリー「あの人怖いよ…」

まどか「大丈夫、ほむらちゃんは優しいよ」

エリー「…」 ヒュッ スポッ

まどか(パソコンの中に入ってっちゃった…)

さやか「あちゃー、第一印象最悪じゃん?ほむら」

ほむら(忘れていたわ…この世界では魔女は味方なのね…)ホムーン

          ◆

エリー(パソコン)『アタイの名前はキルスティン。でもネットではエリーって呼ばれてるからエリーって呼んでね!』カタカタ

さやか「なんか急に明るくなったような…」

まどか「きっと恥ずかしがり屋さんなんだよ!」

ほむら(…絡みづらいわ)

エリー『さっきはありがとね青い子。ところで、みんなの名前は?』カタカタ

まどか「鹿目まどかだよ!」

さやか「美樹さやか」

ほむら「暁美ほむらよ」

エリー『じゃあ まどっち、さやや、ほむほむ って呼ぶね♪』カタカタ

まどか「よろしくね、エリーちゃん!」

さやか「さややって…」

ほむら「ほむ…」

エリー『ほむほむって魔法少女だよね?魔獣退治するんでしょ?』カタカタ

ほむら「ええ、そうよ」

エリー『じゃあ一緒に行ってもいい?』カタカタ

ほむら「なんであなたが…」

さやか「まあいいじゃんかー。エリー、放課後一緒に行こ!」

まどか「私も賛成!」

エリー『えへへー♪ ありがと!』カタカタ

ほむら「…」ホムーン

放課後―――

マミ「…その子も一緒に連れていくのね」

エリー『よろしくね、マミさん♪』カタカタ

さやか「マミさんは普通にマミさんなんだね」

ほむら「…」

まどか「ほむらちゃん、マミさんと仲良くなりたいんだったら素直に―――」

マミ「…グリーフシードはあげないわよ」

ほむら「…」ホムーン

エリー『ほむほむは照れ屋さんだから仕方ないよねー♪』カタカタ

さやか「…えーと、アンタが一番照れ屋さんだと思うんだけどー?」

エリー『そそそそんな事ないしっ!さややのばかぁっ』ガタッ

さやか「あ、今の可愛いじゃん」

エリー『〜〜〜!もうぅっ!』ガタガタ

マミ「ほらほら暴れないの。そろそろ戦闘準備するわよ、暁美さん」

ほむら「…ッ ええ」ホムッ

魔獣「ワンパターンデゴメンナサイ」 ドッ!

ほむら「魔獣ってレーザー攻撃しかしないのかしら」

マミ「だけど油断は出来ないわ」

ほむら「巴マミ、私の手を握って」

マミ「え、何を」 カチッ

ほむら「手を離さないで。これが私の魔法、時間停止」

マミ「…こんな能力初めて見るわ。今なら!」 ティロッ フィナーレッ! カチッ

さやか「うわ一瞬で終わったよ!」

エリー『なるほどー、時間停止かな?すごい能力だねー』カタカタ

まどか「ほむらちゃん凄い!」

魔獣「ザコデホントスイマセン」 コロンッ

マミ「あなた、すごい能力持っているのね」

ほむら「…そのグリーフシードはあなたの物よ。私はまだストックがある」

マミ「あら?本当にグリーフシード狙いじゃなかったようね」

ほむら(…相変わらず疑い深いわ)

マミ「うん、今日はこれで解散。みんなお疲れさま」

さやか「えぇーマミさんのケーキ食べたいなあー」ジタバタ

まどか「昨日食べたでしょ、さやかちゃん」

エリー『どうしよっかなーアタイ泊まるとこがないよ』カタカタ

ほむら「自分の結界に戻ればいいじゃない」

エリー『独りぼっちは、寂しいんだよっ!』グスッ カタカタ

さやか「んじゃーさ、ウチに泊まっていかない?」

マミ「そうね、それがいいと思うわ」

エリー『え、マジで!?さやややっぱやさしーや!』カタカタ

まどか「なんだか『や』が多いよエリーちゃん」

さやか「よーし、じゃあみんな、また明日!」

エリー『みんなー!またねー!』カタカタ

まどか「じゃあね!さやかちゃん!エリーちゃん!」

ほむら「ええ、また明日」

マミ「また学校でね(…羨ましいわ。私も一緒にいてくれる友達が欲しい…)」

さやかハウス―――

エリー『お邪魔しまーす!』カタカタ

さやか「親は帰ってくるの遅いから、楽にしてていーよ」

エリー『じゃ、お言葉に甘えて』カタカタ

さやか「晩ご飯どうする?カレーとかならあたし作れるけど」

エリー『アタイは何でもいーよー?でもあんまし辛いのはダメね』カタカタ

さやか「よし、決まりだー!」

          ◆

さやか「うん、いい感じ♪ささ座って」

エリー『…』スポッ スタ

さやか(計画通り…ご飯の時は外に出てくるっ!だから昼は外に出てたんだ)

エリー「…は、はやく食べよ」

さやか「うんうん♪いただきまーす♪」

エリー「い、いただきます…」

さやか(あーホント可愛いわ…魔女だけど見た目は女の子そのものだし…まあ元々女の子なんだけど)

エリー「…そんなに見られると、恥ずかしい…」カァッ///

さやか(うん、可愛い!)ニヤニヤ

さやか「ごちそうさまー!」

エリー「ご、ごちそうさまでした…(とても美味しかった///)」

さやか「ねえ、エリー」

エリー「な、なんですか…?」

さやか「一緒にお風呂入るぞー♪」

エリー「ふぇぇっ!?」

さやか「別にいいでしょ?女の子同士なんだし」

エリー「え…ぁぅ…まぁ…」

さやか「決まり!さあさあ行こ!」グイグイ

エリー「ぅー…///」

さやか「魔女って普通は服着るもんなの?」

エリー「えと…最近結界から外に出るようになったから…おしゃれしてみたっていうか…」

さやか「そっかー…んじゃあそれ脱ぎ脱ぎしましょうねー」ヌギヌギ

エリー「やっ…自分で脱ぐからぁ///」

さやか「んー…胸はまどか並みってところか…」

エリー「ぅぅぅぅ///」

さやか「んじゃあたしも…」ヌギヌギ

エリー「め、目のやり場に困る…」アセアセ

さやか「どうしたー?触ったっていいんだぞー?」

エリー「そ、それはちょっと遠慮しておきます…」

さやか「なんだぁ残念」シュン

エリー「…もう///」

さやか「エリーって魔女の中ではすごく人間に近い姿だよねー あたし魔女2人しか知らないけど」ワシャワシャ

エリー「…運が良かっただけ…」

さやか「そういやエリーってさ、人間の時はどんな感じだったの?」ワシャワシャ

エリー「あたしもあんまりよく覚えてないの…自分の名前だって忘れちゃったし…」

さやか「ええーなにそれ怖い 友達とかは?」ワシャワシャ

エリー「…ネットの中にはいっぱいいるんだけど…」

さやか「あーそういうヤツか…いわゆるネットアイドルってのでしょ?」ワシャワシャ

エリー「あ、アイドルだなんて…」

さやか「アハハ!恥ずかしがり屋のエリーがアイドルなんてありえないかー」ワシャワシャ

エリー「えへへ…それはそれでひどいなー」

さやか「あ、今エリー笑った!」ワシャワシャ

エリー「ぇ、あ」

さやか「うん、もっといっぱい笑っていいんだからねー」ザパーッ

エリー「わっ…」バシャーッ

さやか「綺麗な髪だよねー、エリー」

エリー「…///」

QB「おや、どうしてさやかの家のこんなところにパソコンが」

     ヒァァンッ サヤ…ファァ///

QB「それに、浴室から妙な声が…」

QB「まあ、僕が気にする事でもないよね」

QB「マミの所にでも行ってくるか…」スッ

          ◆

エリー「…」ポーッ

さやか「あはは、ちょっと敏感な所を洗ってあげただけでこうなっちゃうとは」

エリー「…まさかあんな事されるなんて…うぅー///」

さやか「エリー、可愛い声だったぞー?」ニヤニヤ

エリー「…もうあんな事しないでね…?」

さやか「うんうん、さーて一緒に寝ようか」ウフフ

エリー「言ってる側から何かする気満々でしょぉ…」

さやか「一緒に寝るの、嫌?」

エリー「いやじゃ、ないけど…///」

さやか「あったかーい」

エリー「はずかしーい」

さやか「かわいーい」

エリー「…もうっ」ストン

さやか「あっ、さっきのパソコン」

エリー「こうやって定期的にネットの仲間と交流しないと」カタカタ

さやか「エリーのお友達って、例えばどんな子がいるの?」

エリー「うーん、例えば、ぬいぐるみみたいでピンク色の可愛い魔女とか」

さやか「ほうほう」

エリー「あと、すごいお節介焼きの魔女がいるの…一緒に魔法少女でコンビ組んでたんだけど」

さやか「へぇー…どんな子?」

エリー「『人はみんな平等ですから』っていっつも言ってる宗教勧誘みたいな人」

さやか「はは、何だよそれーwwww」

エリー(…マリア、今どうしてるのかな…?)

さやか「んー…明日も学校だし、ちゃっちゃと寝よっか」パタン スー

エリー「わ、早っ」

エリー「…」

エリー「…こういうのも、悪くない、かな…」

エリー「…」スースー

――――――――――――――――――――

???『(エリー)、一緒に魔女退治に行きましょう』

エリー『…1人で行ってくればいいでしょ…誰かと協力するなんてイヤ』

???『ダメよ。あなたが行かないというなら無理やりにでもここから連れて行くわ』

エリー『…(マリア)はどうしてそこまでしてアタシに拘るの…?』

マリア『あなたを…救いたいから、よ』

エリー『…はぁ、ワケわかんない…』

マリア『こうやって2人で倒せば、楽に退治できるでしょう?』

エリー『…』フラッ

     パタン

マリア『(エリー)!?』

          ◆

エリー『…ごめん、アタシって元から体弱いからさ…足手まといに、なっちゃうよ…』グスッ

マリア『そんな事ないわ。私はあなたと一緒に居られる…それだけで嬉しいから』

エリー『グスッ…えへへっ…(マリア)って、本当にバカだよ…こんなアタシに―――』

マリア『あ、今(エリー)笑った!』

エリー『え…?』

マリア『ふふ、やっぱりね…あなたは泣き顔よりも、笑顔のほうが素敵』

エリー『…なにそれ。そんなセリフ言って恥ずかしくないの? …でも―――』

マリア『?』

エリー『―――ありがとね』ニコッ

マリア『…ええ』ニコッ

――――――――――――――――――――

さやか「ふあー…おはよ、エリー」

エリー「おはよう、さやや」ニコッ

さやか「うわっ、何ニコニコしちゃってるの怖っ!?エッチな夢でも見てたんじゃないの!?」

エリー「そう、とってもいい夢を見たの♪」

さやか「…あー、なんか逆に不気味になってきた」

エリー「…」ショボン

さやか「急にショゲるなってば! ホラさっさと朝ご飯食べて学校行くよ!」

エリー「うん!」

授業中―――

さやか(うーんダメだ、数学ぜんっぜんわかんない…)

先生「じゃあここ、美樹さん答えて」ビシッ

まどか(さやかちゃん頑張って!)

さやか「えぇっ!?えっと…」

エリー『3xyだよ、さやや!』カタカタ

さやか「えっ、あ、3xyです!」

先生「よろしい、座って」

さやか「ありがと、エリー」ボソッ

エリー『どういたしまして♪』カタカタ

ほむら(…卑怯だわ)ホムーン

昼休み

マミ「ゲルトさんってガーデニングが趣味なのね」

ゲルトルート「ええ。機会があれば自慢の薔薇園を見せてあげますわね♪」

マミ「ええ、楽しみにしてるわ」


生徒A「ねぇ…巴さんっていつも一人で何か喋ってるよね」ヒソヒソ

生徒B「なんだか不気味だよねー…だから友達できないんじゃないの?」クスクス

生徒C「私たちは食堂に行こうよ」ヒソヒソ

     スタスタ


マミ「それじゃ、また今度」

ゲルトルート「いつでも待っていますわ♪」

放課後

さやか「あたしは恭介のとこにお見舞いに行ってくるよ」

まどか「またね!さやかちゃん」

仁美「さやかさん、また明日」

          ◆

さやか「やっほー恭介、どうよ調子は」

恭介「うん…まだ治りそうにないみたいだ」

エリー『この子がさややの惚れてる男?ヤサ男っぽいけどけっこーカッコイイじゃん♪』カタカタ

さやか「あーもう、エリーは静かにしててっ」ボソッ

恭介「どうしたんだい、さやか?」

さやか「あっ、あはは、なんでもない!」

恭介「?」

さやか(くぅー、エリーと話してたら変な子に見られるよー…)

さやか「それじゃあたし、そろそろ面会時間終わるから」

恭介「うん。いつもありがとうね。さやか」

さやか「…///」


エリー『終始デレデレだったねー』カタカタ

さやか「もう、エリーが部屋にいなかったらもっとデレデレできてたのに」

エリー『あれ異常デレられたらちょっと引くレベル』カタカタ

さやか「うっさい! …あれ?これって…」

エリー『それってグリーフシードじゃん!魔女のタマゴだよ。それに孵化すれば使い魔も出てくる!』カタカタ

さやか「とにかく、マミさんに連絡しよう」

エリー『アタイがメール送っておくよ』カタカタカタ

さやか「いつの間にマミさんのアドレスを…」

マミ「間に合ったようね」 スタッ

QB「マミ、グリーフシードが孵るよ。気をつけて」

マミ「ええ!」 サールティー ロイヤーリー


マミ「私たちのする事は2つ、使い魔を全滅させることと、魔女を結界から出してあげること」

マミ「それじゃ、行くわよ!未知の結界へ!」

さやか「はい!」

エリー(この結界…この甘い香りは、もしかして…!)


ほむら(普通なら今日はシャルロッテが現れる日…)

ほむら(だけど、まどかは病院に向かっていない)

ほむら(私が巴マミを助けている間に、まどかがQBと接触して契約してしまうかもしれない…そうなってしまうのは一番ダメ)

ほむら(ここは巴マミを信じるしかないわね…)

まどか「どうしたの?ほむらちゃん」

ほむら「いえ、なんでもないわ」

ほむら(…どうか無事でいて、マミ)

お菓子の結界―――

さやか「なんか大きいお菓子がいっぱいある…それと、医薬品?」

QB「魔女の結界は魔法少女だった時の環境が影響しているとも言うね」

エリー(やっぱり間違いない、この結界は…)

     ピョー ピョー

マミ「ッ さっそく使い魔のお出ましね…悪いけど、速攻で片付けさせてもらうわ!」

     バンッ クルクルッ バンッバンッ   ピョー

さやか「やっぱマミさんって凄い…」

エリー『さややも魔法少女になったらいいんだけどねー』カタカタ

さやか「いや、それはまだちょっと考え中…」

マミ「魔女の部屋までまだ距離があるわ、急いで行きましょう」

さやか「はい!マミさん」

エリー『はー空飛ぶパソコンまじ便利…』カタカタ

さやか「あっ、なにそれセコいよエリー!」

マミ「この先に魔女が居るはずよ」

QB「魔女がいる部屋には、他とは別格の強力な使い魔がいる。油断したら駄目だよ」

マミ「わかってるわ。私を誰だと思っているの? さ、行くわよ」 バッ

     チョコン

さやか「…あれが魔女?」

エリー『シャル!』カタカタ

シャルロッテ「…」

さやか「まるで眠ってるみたいだけど…」

マミ「あら、知り合い? そして反対側に座っているナース服の使い魔が…」

QB「使い魔の親玉みたいだね。アレを倒せば終わりだよ」

ピョートル「…チーズ、ミツケタ」 ヒュンッ

マミ(速いッ! それに頭を狙って飛んできた…私の頭を吹っ飛ばすつもり!?) ズザッ

さやか「マミさん!がんばって!」

マミ「大丈夫よ、任せて♪」バンッ

エリー(シャル…目を覚まして…!)

マミ(ッ… 標的が小さい上に素早い、こんな時に暁美さんが居たら…) バンッバンッ

エリー『駄目、アイツはマミさんの銃撃じゃ不利すぎる!』カタカタ

QB「そうだね、マミはここで死ぬのかもしれない」

さやか「だったらどうしたらいいの!?あたしがここで魔法少女に…」

ピョートル「チーズ、アノコニトドケル」 バシュンッ

さやか「マミさんッ!?」

マミ(――あっ――避けきれ―――)

シャルロッテ「…ン」パチン

     ゴボッ  ギュンッ グバァ

マミ(―――え?)

     バクッ

シャルロッテ「〜♪」モグモグ

エリー『シャルぅぅぅぅぅ!』カタカタ

シャルロッテ「ン?えりー?オヒサ♪」

マミ「い、今のは…」ガクガク

QB「あの魔女、すごいね。使い魔を一瞬で噛み砕いたよ」

さやか「何が起きたかよくわかんなかったけど…とりあえず一件落着かな?」

マミ「そ…そうね、この結界から出ましょう」

          ◆

エリー『紹介するね。この子はシャルロッテ、魔法少女だったアタイの後輩♪』カタカタ

シャルロッテ「ヨロシクネ」ペコッ

マミ(か…可愛いっ!なんてキュートなのッ!? しかも強いだなんて素敵だわ!)

さやか「よろしく、シャルちゃん」

シャルロッテ「…」ヘタリ

マミ「しゃ、シャルちゃん!?」

シャルロッテ「…ちーず、食ベタイ」グー

エリー『うーん…戦うといっつもこうなんだよね』カタカタ

マミ「そうなの?それじゃ、みんな私の家でお茶しましょう」

さやか「やった!マミさんのケーキぃ♪」

マミホーム

まどか「お邪魔します!」

ほむら「失礼するわ」

さやか「なんでまどかとほむらまで来るの!?」

エリー『アタイが連絡しておいたから♪』カタカタ

さやか「アンタいつの間に2人の連絡先を…」

ほむら(マミが無事でよかった… それにしてもこの魔女、まどかのようなピンク色してて可愛いわ…)ホムホム

マミ「みんなお待たせ、チーズケーキよ♪けっこう自信作なんだから」

シャルロッテ「!!!」ジュルリ

エリー『うぅー…人前に出るのはやっぱ恥ずかしい…でも食べたい!』 スポッ

まどか「やっぱりマミさんすごいです!」

ほむら「…美味しそうね」ホム

さやか「それじゃ早速…いただきまーす!」


QB「…僕の分はないのかな」

シャルロッテ「まみまみ!ちーずけーきオイシイ!」モグモグモグモグ

エリー「シャルったら夢中で食べてる…可愛い」

さやか「ほらエリー、口元に食べかす付いてるよ?」ペロッ

エリー「ひゃ…もう!人前でそんな///」

ほむら(…私もまどかにやってみようかしら)

まどか「ティヒヒwwwwwwこれはとってもおいしいなって」

マミ「喜んでもらえて嬉しいわ…」

シャルロッテ「まみまみー、アタシ、ここに住みたい!」

さやか「お、それいいね!2人ともなんか気が合いそうだし!」

まどか「私も賛成!マミさんシャルちゃん、なんだかお似合いだと思うな♪」

マミ「!! わ…私は大歓迎よ!」

ほむら「凄く嬉しそうね」

エリー「これから…シャルをよろしくお願いします、マミさん」

シャルロッテ「まみまみ大好キ!ズット一緒ダヨ♪」モグモグ

マミ「ええ!私、もう1人ぼっちじゃないもの!もう何も怖くない!!」

さやか「ありがとうございました!チーズケーキすごく美味しかったです!」

エリー『じゃあね、マミさん、シャルちゃん!』カタカタ

まどか「ごちそうさまでした、マミさん。またお呼ばれされたらとっても嬉しいなって」

ほむら「そうね…また来るわ」

QB「何もなかったけど…僕も帰るとするよ」

マミ「また明日。いつでも歓迎よ」

シャルロッテ「バイバイ!」オテテフリフリ

          ◆

杏子「ったく…最近はなんだっていうんだい?魔女は大人しくなるし、魔獣とかなんとか出てくるしよ…」

杏子「それに…なんで倒したはずの魔女のアンタが居るんだ?」

ギーゼラ「いやそれボクに聞かれても困るんだけど…」

杏子「あーもうまったくワケわかんねー…考えても無駄か。魔獣狩りしてグリーフシードを溜めるまでだ」ポッキーカリッ

ギーゼラ「よし、じゃあボクは先に行くよ」 ギュインッ キーン

杏子「…ほんと速過ぎだろアイツ…おー耳いてぇ」

魔獣「ウゴキマジトロイッスサーセン」

杏子「まったく骨のない奴ばかりでつまらないよッ!」 ギュルッ

魔獣「クサリデシバラレタッス トロイドコロカウゴケナイッスマジデ」

ギーゼラ「がんばれ杏子ー」

杏子「アンタが戦うのが一番手っ取り早いと思うんだけどね」 ダッ

     ザシュッ ズバァッ

魔獣「マジイタインスケドムリッス ヤベェソロソロキエソウッス」

     コロンッ

杏子「グリーフシード、ゲットだぜ!」

ギーゼラ「ギッギゼチュウ!」

杏子「ちょっとそれは無理があると思うんだよ」

ギーゼラ「ですよね」

数日後

恭介「さやかは、僕のことをいじめているのかい?」

さやか「え…」

恭介「自分で弾けもしない曲を聴かされて!もう嫌なんだよ!」ガシャーン

恭介「もう治らないって言われたんだ…奇跡や魔法でもない限り…」

さやか「…あるよ。奇跡も、魔法も、あるんだよ!」

          ◆

エリー『それで?あの子の腕を治すために契約する気?』カタカタ

さやか「あたしは恭介の為にだったら魔法少女になって戦うよ、だから…」

エリー『はぁ…さややって、ほんとバカ』カタカタ

さやか「どういう事よ!?」

エリー『他人のための願いなんてろくな事になんないよ?』カタカタ

さやか「そんなの…やってみなけりゃわかんないじゃん…」

エリー『その無鉄砲さが既にダメ、さややは腕を治した見返りが欲しいんでしょ?』カタカタ

さやか「う…」

エリー『腕を治してあげたって、あの子はあんたの事が好きになるって訳じゃないんだよ?』カタカタ

エリー『たぶんあの子が別の女と付き合ったら、さややはすぐに魔女変貌ルート直行でしょうね』カタカタ

さやか「そこまで言うか!」

エリー『ゾンビになったも同然な自分の体で「抱きしめてー!銀河の果てまでー!」なんて言えないでしょ』カタカタ

さやか「…」

エリー『ここまで言って魔法少女になるんだったらほんとバカだよアンタwwwwww』カタカタ

さやか「―――あたしは」

エリー『?』カタ

さやか「恭介がどうとか言う話じゃない…エリーとずっと一緒にいたいから…魔法少女になる!」

エリー『ふぇぇっ!?』ガタタンッ

さやか「というわけで!QB」

QB「やっと契約する気になったのかい?」

エリー『ちょ、ちょっとまって!』カタタタ

さやか「あたしは絶対魔法少女になる、そう決めたんだよ」

エリー『―――腕治すだけ?』カタタターン

さやか「へ?」

          ◆

医者「身体のどこにも異常が見当たらない!?わけがわからないよ!」

恭介「むしろ事故に遭うより身体の調子がいいですよ」

医者「認めるか!ありえるか!こんな事がッ!」

恭介「あ、あのー…」

医者「ああ、すまない…君も様子を見たらすぐ退院できるだろう」

恭介「あ、ありがとうございます」


さやか「やりすぎじゃない…?」

エリー『これぐらいしなきゃね♪』

QB「『上條恭介を事故に遭う前より丈夫な身体にして欲しい』だなんて…」

QB「おかげで美樹さやかは癒しの魔法だけじゃなくて身体能力を高める魔法まで使えるようになったよ」

エリー『ベホマとバイキルトとスカラとピオラを同時にかけるぐらい強くない?それ…』

さやか「かしこさはどうしようもないのかー!?」

その夜

まどか「何、これ…」

仁美「私達はこれから素晴らしい世界に…」

エリー『えいっ』キーン

仁美「」バタリ

さやか「ちょっとエリー、仁美に何を―――」

エリー『…ここ、アタイの結界があるんだよ。みんなおかしくなったのは多分それが原因』

エリー『だからちょっとの間、私のトラウマ攻撃で気絶してもらったの』カタカタ

まどか「じゃあ…マミさんかほむらちゃんを呼ばなきゃ!」

さやか「その必要はないよ、まどか」

     ヘンシンッ

まどか「え!?さやかちゃん、契約しちゃったの!?」

さやか「ふふ、驚いたかー?ちょっと色々あってね」

まどか「そんな…こんなのって…」

さやか「…ねぇ、まどか」

まどか「…?」

さやか「あたしは、魔法少女になっても、魔女になったとしても…まどかの親友だから」ニカッ

まどか「さ、さやか、ちゃん…」グスッ

エリー『心配しないで、まどっち。さややの事はアタイが面倒見るから』カタカタ

さやか「んじゃ、ちょっと恋人の片割れをブッ飛ばしてくるとしますかー!」ダッ

エリー『(まだ)恋人じゃなーい!』ガターン

ダニエル「キョウハホントウニタノシカッタネー♪」

ジェニファー「マタイキタイネー♪」

さやか「あれがエリーの使い魔?なんか気持ち悪っ」

エリー『ひどいよ…さややぁ』カタッカタッ

さやか「あぁゴメンゴメン、さて、何秒でカタ付けようかなー?」

エリー『あんまり無茶しないでね。魔翌力の使いすぎはソウルジェムを一気に濁らせる』カタカタ

さやか「よーし!7秒で終わらせるぞー!」ダンッ

エリー『えっ』カッ

     キィィンッ  カッ ザシュンッ ズバァァンッ  ドッシャアァァ

ダニエル&ジェニファー「コンドハオベントウモモッテイコー」 ティウンティウン

さやか「ふー」スッキリ

エリー『敗北なんて、あるわけない』カターン

さやか「ふふーん♪余裕余裕」

まどか「さやかちゃん、結界に入ってから1分かからずに出てきちゃった」

ほむら「…」

さやか「あ、遅かったじゃんほむら、あたし魔法少女になったから」ドヤッ

ほむら「まったくあなたは…どこまで愚かなの」

さやか「まーまー、あたしが魔女になったって誰も悲しまないって」

ほむら(…まぁ、この世界ならそれもそうね)ファサッ

エリー『さ、一仕事済んだし帰ろ?アタイお腹空いちゃったよ』カタカタ

さやか「よーし、ウチでいっぱい可愛がってやるからなー♪」

エリー『ちょ、そういうのはナシ///』カタンッ

まどか「さ、さやかちゃんったら…///」

さやか「んじゃーまたね、2人とも!」

まどか「またねー!さやかちゃん、エリーちゃん!」

ほむら(…魔女が無害な世界って、ここまで平和なのね…)


仁美「」

まどか「あああ!すっかり忘れてたーっ!!」

マミホーム

マミ「シャルちゃん、あーん♪」

シャルロッテ「アーン♪」モグモグ

マミ「ふふ…おいしい?」

シャルロッテ「ウン!」ニコッ

マミ「ねぇ、他に何か欲しいものある?」

シャルロッテ「エ、エット…」モジモジ

マミ「何かしら?」

シャルロッテ「…まみまみガ欲シイ…///」カァッ

マミ「え、それってどういう…きゃっ!」

シャルロッテ「まみまみー♪ダイスキー///」ギュッ

マミ「ちょ、ちょっと…もうっ、おませさんなんだからっ///」

シャルロッテ「エヘヘー///」スリスリ

マミ「あっ、そこ駄目…ひゃぁんっ///」ビクンッ


QB「どうしてこうなったんだい…」

マミ「あれ…どうしてグリーフシードが…?しかも2つも…?」

QB「それがどういう意味を表しているか、君には分かるはずだよ、マミ」

マミ「そ、それって…」

シャルロッテ「…///」モジモジ

マミ「…孵化させるしかないみたいね」


次の日―――

まどか「マミさん、大事な話っていったい…?」

マミ「今日はみんなに、お知らせがあるわ!」

ゲルトルート「私まで呼ばれるなんて、よっぽどの事なんですわね」

さやか「もしかしてー?シャルちゃんとお付き合いしたとかー?wwwwww」

エリー『あなたとは違うんです!』カタカタ

ほむら「巴マミ、一体何を―――」

     ヒョコッ   ヒョコッ

黄色カラーのシャル「まみまみー」

ドリルヘアーのシャル「…」モグモグ

マミ「―――子供が、できちゃった///」

まどか「」

さやか「」

ほむら(どっちも可愛いわっ!)ホムホムホムホムホムホムホ

ゲルトルート「」

エリー「」

マミ「あ、あはは…」

シャルロッテ「ミンナ、ビックリシスギ…」

黄色シャル「まみまみー、しゃるしゃるー」

ドリルシャル「…」モグモグ

ほむら「それで…その子達の名前は?」

マミ「黄色いツインテみたいな子が『ティロッテ』、」

マミ「ピンクのドリルヘアーみたいな子が『フィナロッテ』よ!」

ティロッテ「ちーずぅ、ちーずたべたいー」

フィナロッテ「…」モグモグ

ほむら(可愛すぎるわ…まどかとは別の何かを感じる!!!)ホムホムホムーンッ

QB(この2人は、凄まじい素質を持っている)

QB(恐らく、両方を魔女にした時のエネルギーは、鹿目まどかの魔女化と同等だ)

QB(これで僕たちの星は―――)

フィナロッテ「…」モグモグ

QB「あぁっ!?僕の大事な耳毛が食されているっ!?」

マミ「こらこら、駄目でしょ、お腹の中で毛玉になっちゃうわ」

フィナロッテ「…」ジトッ

ティロッテ「おこっちゃだーめ!」プンプン

ほむら(ここは楽園かしら… ってまどかが気を失っている!?)

ほむら「まどか、目を覚まして、じゃないとその無防備な唇を奪うわ」

まどか「あ…うん、ちょっとびっくりしちゃった」

ほむら(目を覚まさなくてよかったのに)

まどか「あ…みんな起こさないと」

ほむら「そうね」ファサッ

さやか「仁美の言っていた『禁断の恋』の意味が今わかった気がする…」

エリー『あ…あたしもさややと…』ボンッ

ゲルトルート「エリーさんがオーバーヒートしてしまったわ」

ティロッテ「ふわぁ…ばらのいいにおい」スーハー

ゲルトルート(私も理性を保つのがやっとよ…)

マミ「みんな、これから2人と仲良くしてあげて欲しいの」

ほむら「もちろん」

さやか「あー、はい…」

まどか「2人はとっても可愛いなって」

エリー『…』プシュー

ゲルトルート「ええ…とりあえず彼女を冷やしましょう」


フィナロッテ「…インキュベーター」モグモグ

QB「ッ!? あ、耳毛が完全に無くなった」

色々あってQB以外全員帰宅

マミ「でも…どうして女の子同士…それに魔法少女と魔女で子供ができたのかしら」

QB「ちゃんとした理由は僕には分からない…だけど、それだけこの世界に歪みが生まれているとしか考えられないね」

シャルロッテ「ヨクワカンナイ」

ティロッテ「ちーずおいしー」

フィナロッテ「…」モグモグ

マミ「家族4人… 四重奏… ティロ・フィナーレ・カルテット」ボソッ

QB「えっ?」

シャルロッテ「?」

マミ「あっ、いや…なんでもないの…なんでもないのよ」

マミ「ふふっ…」

ティロッテ「しゃるしゃるー おかしちょーだい」

シャルロッテ「ン?イイヨー」ポポポポーン

ティロッテ「〜♪」モグモグ

フィナロッテ「…」モグモグ

QB「君はずっとガムを噛んでいるんだね、フィナロッテ」

フィナロッテ「…ダマッテナサイ、インキュベーダー」モグモグ

QB(一体なんだっていうんだ…)

さやか「魔法少女の存在を知った時より衝撃が大きいよ…」

まどか「無理もないよね…」ウーン

さやか「ところでエリー、パソコンはどうしたの?」

エリー「クールダウン中。中に居ると暑くて敵わないよ…」

さやか「そうなの? 大変…って、ソウルジェムが反応してる!魔獣が!」

エリー「それだけじゃない…何この気配…魔法少女?魔女?どっちかわからない…!」

さやか「と、とにかく行こう!まどかはほむらに連絡を」

ほむら「それには及ばないわ、私も気になるもの」

まどか「ほむらちゃんいつの間に!」

さやか「また急に出てくるなー!」

ほむら「言ったはずよ、私はまどかの側にずっと居る」

ほむら「とにかく、この不可解な反応を確かめないと」

さやか「言われなくとも!」ダッ

とある教会―――

杏子「あれ、誰か居るのか?」

???「静かにしていて。近くに魔獣が居る」

杏子「なんだと…?アンタ魔法少女か?」

ギーゼラ「違う、彼女は魔女だ…かなり特殊なタイプのようだけど」

???「…来る」 バッ

魔獣「テンションアガッテキタ」

     ダダダダダダンッ

杏子「!?」

杏子「どういう事だオイ…アイツ、魔女なのに」

杏子「『魔法少女のように武器を呼び出して戦っている』だと…!?」

ほむら「これはどういう事か説明して頂戴、佐倉杏子。あの拳銃を持った魔女は何者?」

杏子「あ、お前はQBの言っていた例のイレギュラーか…」

杏子「まあ、今はどうでもいい… あたしもまったく理解が追いつかねえんだ…」

まどか「ねぇ、一体あれって…」

さやか「なんかヤバそうな事になってるけど大丈夫?」

エリー「…!」

???「消えなさい」ダンッ!

魔獣「セリフタッタフタツデオワタ」

エリー「マリア!?」

マリア「エリー…?」

エリー「マリアッ!!」

さやか「あれ?これって感動の再会ってヤツじゃ―――」

     ダンッ

エリー「くっ…」

まどか「えっ!?」

マリア「次は当てるわ」スチャ

さやか「一体なんなのよ…あんた、元はエリーとコンビ組んでた魔法少女だったんでしょ!?」

エリー「ふふ…アイツはね、ホンモノのゾンビさ…まさしく魂なんてどこにもないゾンビ…」

ほむら「エリー、どういう事なのか説明して」

QB「それは僕が説明しよう」スッ

まどか「QB!」

QB「暁美ほむら…君が魔法少女のイレギュラーなら、エルザ・マリア…彼女は魔女のイレギュラーだ」

杏子「なんなんだ…それって」

QB「彼女の目的は『魔女になった魔法少女を元に戻す事』だ…不可能だと思っていたんだけど、全く盲点だったよ」

ほむら「!?」

QB「『感情と絶望』、例えるならば『コップに注いだ水とインク』だ」

QB「水の中にインクを垂らすと、それは広がり続け、やがて完全に溶け込む」

QB「そうなってしまったら普通、コップの中のインクを取り出すことはできないよね?」

QB「だけど…彼女は、水を取り出す…つまり感情を蒸発させ、絶望だけを残した」

QB「そしてコップの中に残った絶望は魔獣を生む。そして取り出した感情は冷却して別のコップに移し変える」

QB「でも彼女は、感情を取り戻す事が出来なかった。何も入っていないコップのようなものだ」

QB「魔女の体を一度滅ぼし、そこから出来たグリーフシードから感情のない状態で復活したんだ」

QB「絶望から生まれるはずの魔女が魔法少女として蘇る…でもソウルジェムが砕けているわけだし、中身はカラッポ同然なのさ」

QB「でも、これが魔女の本来の姿なのかもしれないね…」


エリー「…だから、アタシがマリアの感情を取り戻してやる」

QB「それは難しいね。蒸発してしまった感情を肉体に押し込めるのは簡単じゃない」

QB「感情自体僕には扱いきれない事が多すぎる。まあ、まどかが契約するのならそんな事は容易く―――

     バンッ

ほむら「そういう事ね…大体わかったわ。要するに彼女を救えばいいのね」

さやか「何か考えでもあるの!?」

杏子「やっぱ契約で願いを叶えるしか…」

ほむら「美樹さやか、あなたが救うのよ」

さやか「へっ?」

ほむら「よく聴いて、あなたは―――

          ◆

さやか「そんな事できるのかな…」

ほむら「大丈夫、あなたの力なら出来る。ソウルジェムが穢れても私が浄化し続けるわ」

まどか「でも、これならきっと助けられるよ!」

さやか「うん、やってみるよ…」 シュゥゥ

エリー「ほむほむ?一体あんたは何を」

ほむら「…いいから見ていて。佐倉杏子、あの魔女の攻撃から美樹さやかを守るのよ」

杏子「あぁ、そういう事かい…おい、アンタも手伝えよ?」

ギーゼラ「まぁ頑張る」ビシッ

マリア「…手加減はしない、相手が魔女なら全力で相手をするわ」スチャッ

マリア「…」ダダダダダダンッ!

杏子「うおぉっと!」ザッ

エリー「マリアの武器はピストル…それに弾切れになる前に新しい銃を召喚。さらに銃の大きさもバラバラ」

杏子「くっ…次々新しい銃を呼び出してきやがる…」

ほむら「…」カチッ

杏子「おいお前、何を…」

ほむら「時間を止めたわ。今なら一撃を叩き込める」

杏子「へっ…すげえ能力だ」 ザッ

     カチッ

杏子「おいおい、ほとんど効いてなくねえか?」

マリア「…時間停止、厄介な魔法少女ね」ダンッ

     ギュインッ

マリア「…ッ」

ギーゼラ「いやーボク走るしか能ないんで、こうやって飛んでくる弾丸を弾き飛ばすぐらいしか出来なくて」

杏子(アイツ強すぎだろ…)

さやか「はぁ…はぁ…もう少し」シュイーン

まどか「さやかちゃん、グリーフシードを!」

さやか「サンキューまどか」


マリア「…」ドッ!

エリー「ッ…アタシを狙ってきた…!」

杏子「へっ、させるかよ」ガキィン

マリア「…」ダン

杏子「んなっ…」 ドサッ

ほむら「杏子!」

ギーゼラ「背後から自動で引き金を… 大丈夫か杏子?ってヤバそうだね」

杏子「く…わりー、迂闊だった」

ギーゼラ「ちょっと休んでな。ボクがやるから。あ、槍借りるよ」

ギーゼラ「さて…」 ギュイイインッ!

マリア「…ッ」

ギーゼラ「スピード狂っていうのはこういう奴の事を言うのさ、あれ違う?」

     キィィィィン! ザシュザシュザシュ

ほむら「何あれ…魔法で強化した動体視力でも追いつけない…!」

マリア「ッ…」ハーハー

マリア「ここまで…なの…?私は…」

さやか「できた!エリー!これをマリアって子に!」

QB「それは…『魔力で作り上げたソウルジェム』…!?」

エリー「よぉし!これで終わらせる!!!」

マリア「やめて…私は…」

エリー「そぉい!!!」ゴッ

     キュイイイイン ドッゴオオオオオオオ


―――――必ず戻ってきて、マリア 

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つづく

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